日帰り白内障手術について
手術方法
- 目に小さく切開を入れます。
- 濁った水晶体の中身を超音波で砕いて取り除きます。
- 人工水晶体(眼内レンズ)を水晶体の袋の中に挿入します。
眼内レンズ(単焦点・多焦点)について
眼内レンズとは、白内障手術において、水晶体の代わりに挿入する人工の眼内レンズのことです。当院では、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの2種類をご用意しております。患者さんのご要望をお伺いし、ライフスタイル(下記図※)に合わせた最適なレンズをご提案いたします。
単焦点眼内レンズ
一般的に白内障手術で使われている1カ所に焦点が合う眼内レンズで、保険診療で行われます。遠くもしくは手元など希望する1カ所に焦点を合わせることができますが、それ以外の距離のものを見るときは、眼鏡が必要となります。
多焦点眼内レンズ
複数の距離に焦点が合う眼内レンズで、遠くと手元、レンズの種類によっては中間にも焦点を合わせることができ、眼鏡の装用頻度を軽減できる可能性があります。
(※)ライフスタイルイメージ
白内障手術を希望される方へ
白内障手術をご希望される方は、まずは診察させていただき、手術適応かどうかを判断いたします。
- 白内障の程度や全身状態によっては、大学病院等での入院手術をお勧めさせていただく場合がございます。
- 散瞳検査(目薬で瞳を広げ、白内障や眼底の状態を詳しく見る検査)をさせていただきますので、検査後に車の運転などが4~5時間できなくなります。
公共交通機関等でお越しください。
当院では、水曜日の午前中に日帰り白内障手術を行なっています。
初診を含めて手術日までに3~4回程、お越し頂き準備を進めていきます。
低濃度笑気ガス麻酔(笑気吸入鎮静法)の導入
子どもの歯科治療などに用いられる、安全性の高い麻酔方法です。
意識を保った状態で患者さんの不安感あるいは緊張感を和らげ、痛みに対する知覚を鈍くすることによって、リラックスした状態で手術をお受けいただくことが可能になります。
白内障手術の流れ
- 初診
- 白内障の有無や進行具合などを確認し、お体の状態についてお伺いします。
- 精密検査・手術説明
- 手術に必要な目の精密検査や、採血をし、手術の詳しい説明も行います。
- 術前点眼
- 手術の3日前から抗菌の目薬をさします。
- 手術
- 手術は通常10分程で終了します。(白内障の進行具合によって時間は変動します)
- 術後診察
- 手術後3日間診察にお越しください。その後は、1週間後、2週間後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後に診察があります。
当日の流れ
手術当日~来院されてから~
手術前の点眼を行い、血圧・脈拍・体温などを測ります。
手術室前で靴からスリッパに履き替えていただきます。
手術時間は10分程度で、眼の表面と眼の内側に浸透する麻酔を効かせますので、痛みはほとんど感じません。
顕微鏡の光はとてもまぶしく感じますが、だんだんと慣れてきます。キョロキョロせずに、光の方をぼんやり見ておいてください。
手術中は、顔や体が動くと危険な場合があります。お困りのことがありましたら、お声かけください。また、痛みや不快感、尿意など体の不調がある場合には、我慢せず早めにお申し出ください。
手術後の注意点
手術当日~手術後~
保護メガネをかけて、お帰りいただきます。目をさわらないようにして、点眼するとき以外は保護メガネをかけたままでお過ごしください。
散瞳してるので、見えにくいのが普通です。
その他、ゴロゴロ・涙が出る・白目が赤い・かすむ・光が見える・まぶしいなどの症状が出ることもあります。
お風呂には入らないでください。濡れタオルで顔や体を拭く程度は構いません。
食事の制限はありませんが、飲酒は控えてください。
手術翌日以降
手術翌日から、首から下の入浴やシャワーは可能です。洗顔・洗髪は2日間控えていただき、顔は濡れタオル等で拭いてください。3日目夜から制限はありません。
手術後3日間は必ず、1週間程度は保護メガネをかけて、目を押さえたりぶつけたりしないようにお過ごしください。
手術後の趣味やスポーツに関しては、診察時にご確認ください。
視力が安定してから(手術後1ヶ月が目安)眼鏡を作ることができます。
必要な方は眼鏡合わせの検査をいたします。
後発白内障について
白内障は手術で完治し、それ以降再発することはありません。しかし手術を受けてから数ヶ月から数年経過した後に、再び白内障にかかったかのように視野が白くかすんで見えるようになる場合があります。
症状が似ていることから、これを後発白内障といいます。白内障手術では、水晶体を覆っている袋(水晶体嚢)の前面(前嚢)だけを除去して水晶体を吸い出し、そこに眼内レンズを挿入します。その際に眼内レンズを固定する目的で残した袋の後面(後嚢)が細胞の変性によって白く濁ってくることで発症します。
後発白内障の治療は、濁った後嚢にレーザー光線を照射して穴を開け、光がスムーズに通るようにすることで完了します。麻酔の点眼後に行うので痛みはほとんどなく、数分程度で終了する上、通常はすぐに視力が元の状態へと回復します。
なお、こうした治療を必要とするほどの後発白内障にかかる割合は、白内障手術から5年経過後で全体の10~15%といわれています。白内障手術後に見え方の異常を感じた際にはお早めに眼科を受診してください。